印刷する 印刷する

D&O保険保険への取組み、ソニーの事例

 社外取締役候補者から「責任限定契約」の締結に加え、「D&O保険(会社役員賠償責任保険)へ加入」を求められるケースは多い(2015年4月22日のニュース「責任限定契約を締結すればD&O保険は不要か」参照)。といっても、D&O保険の保険料のうち「株主代表訴訟補償特約保険料」は、社外取締役の自己負担となる。D&O保険には、第三者訴訟で役員が損害賠償責任を負った場合に支払われる「普通保険約款」と、株主代表訴訟で役員が敗訴した場合に支払われる「株主代表訴訟補償特約(自動で付与される)」があるが、このうち「株主代表訴訟補償特約」は、あくまで「会社に対する損害」に対して役員が負う責任への保証であるため、これを会社が負担するのは理屈に合わないというわけだ(もっとも、特約部分の保険料は保険料全体の約1割であり、1人当たりの保険料は高額ではない)。

D&O保険(会社役員賠償責任保険) : 第三者訴訟で役員が損害賠償責任を負った場合に支払われる「普通保険約款」と、株主代表訴訟で役員が敗訴した場合に支払われる「株主代表訴訟補償特約(自動で付与される)」がある。このうち「株主代表訴訟補償特約」は、あくまで会社の損害に対して役員が負う責任への保証であるため、保険料の支払いは役員の個人負担(保険料全体の約1割が一般的)となる(1人当たりの保険料は高額ではない)。保険料は役員報酬から天引きされるのが一般的だが、会社によっては、その保険料相当分を役員報酬に上乗せしたうえで、天引きしているところもある。

第三者訴訟 : 役員の故意や重過失によって会社または役員が第三者(取引先、従業員など)に損害を与えた場合、第三者が会社法429条(役員の任務懈怠)や民法709条((役員個人の)不法行為)を根拠に役員に対して損害賠償を請求するもの。

 D&O保険に加入したいという社外取締役の要望に応えるためには、もう1つクリアしなければならない要件がある。それは、・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから