取締役会には「監督機能」と「意思決定機能」があるが、日本では、例えば「重要な財産の処分及び譲受け」のような「重要な業務執行の決定」は取締役会に上程することが強制されているように(会社法362条4項)、意思決定機能の方が強いと言える。ただ、近年は「監督機能」を重視するのが世界的な潮流であり、日本でも社外取締役選任を求めるなど監督機能に軸足を置いたコーポレートガバナンス・コードが実施されるとともに、会社法の改正により監査等委員会設置会社が導入されたことで今後その流れは加速していくだろう。
監査等委員会設置会社 : 監査役を設置せずに、取締役3名以上(過半数は社外取締役)で構成する監査等委員会が、取締役の業務執行の妥当性の監査を行うという機関設計の一類型。2015年5月施行の改正会社法で導入された。監査等委員会設置会社は、定款に定めたうえで取締役会にて決議すれば、重要な業務執行の決定の全部または一部を取締役に委任することができるため、監督機能に軸足を置いた機関設計と言える。
こうした中、政府が今週月曜日(2015年6月22日)に公表した・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。