印刷する 印刷する

監査役と社外取締役の役割分担は必要か

 社外取締役を選任していない会社が少数派となる中、社外取締役と監査役の役割分担に頭を悩ませる会社も増えているようだ。監査役会設置会社が監査等委員会設置会社に移行する際には、社外監査役が社外取締役に“横滑り”することが認められているように(2015年3月20日のニュース「監査等委員会設置会社への移行で監査役の処遇は?」参照)、社外取締役と特に「社外監査役」の立ち位置が被り、両者の重複感を感じている会社は少なくない。

 一般的には、社外取締役は取締役会の議決権を持ちながら経営へのアドバイスを行い、時には経営者の意思決定を後押しする“アクセル”の役目を果たす一方、監査役は違法性のチェック機能や経営への“ブレーキ”役を果たすと理解されている。また、監査役設置会社の監査役は違法性(適法性)監査の権限のみを有し、妥当性監査の権限まで有しないとの説もある。このため、社外監査役には弁護士や会計士が就任するケースが多く、また、ある会社では、監査役は基本的に社外取締役の発言を待ってから発言しているという。

違法性(適法性)監査 : 取締役の職務執行が法令および定款に適合しているかどうかについての監査。

妥当性監査 : 業務執行の妥当性についての監査。

 ただ、大部分の会社では、社外取締役と監査役の間でこのような明確な棲み分けが出来ているわけではないだろう。実際ある会社では、・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから