最近、リクルート社が特定の部門や職種に限定せず“全社的”に在宅勤務制度を導入することを表明し、話題を呼んだ。同社の取組みは在宅勤務制度の普及を後押しする可能性もあるが、在宅勤務制度を検討する際には、メリット以上にデメリットや労務上のリスクを直視する必要がある。
在宅勤務制度の最大のメリットは、通勤時間がなくなることだろう。浮いた時間は休養、家族との触れ合いなどに充てることが可能であり、近年叫ばれている「ワーク・ライフ・バランス」の実現に役立つ。会社にとっては、通勤手当を支払わずに済むほか、オフィスの家賃や水道光熱費等が削減できるというメリットもある。
一方、デメリットとしてまず挙げられるのが、フォーマル・インフォーマル両面において社内コミュニケーションが取りにくくなるということだ。在宅勤務であっても最小限必要な会議等に出席させることは可能だが、それだけでは職場の一体感は希薄になり、部門間の連携も難しくなるなど、組織力の低下につながる恐れがある。また、会社全体として知識・情報・ノウハウの共有・蓄積が図りにくくなることも考えられる。
もう一点注意しなければならないのが、・・・
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