先月(2015年8月)28日、女性活躍推進法(正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」)が成立した。これにより、来年4月1日から企業に対して、採用者や管理職に占める女性の割合などの数値目標を盛り込んだ「一般事業主行動計画」の策定や公表が求められる(従業員300人以下の企業は努力義務)ことになる(具体的にどの項目を公表するのかは、こちらの省令案の5ページ目を参照)。
この法律の存在もあり、日本企業にとって「ダイバーシティ」というと、まずは女性の採用や管理職への登用増加が頭に浮かぶところだが、欧米におけるダイバーシティはより広い概念であり、そこには障害者、LGBT、ホームレス、長期失業者などが含まれる。例えば英国の大手不動産会社ランド・セキュリティーズは、ホームレスや長期失業者に対してビル管理や建設作業等の研修プログラムを提供し、自社や同業他社への就職をサポートしている。日本企業であっても海外展開に力を入れているところは、海外子会社のダイバーシティを“欧米基準”で考える必要があろう。
ダイバーシティ : 直訳すると「多様性」という意味だが、ビジネスの場では、多様な人材を積極的に活用し、これを競争優位の源泉にしようという考え方を指す。
LGBT : レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)を総称する造語。
実際、それを実践している海外子会社もある。例えば、・・・
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