近年、社員の朝型勤務を奨励する企業は少なくない。正式な勤務時間帯(例えば9時~5時)は変えず、早朝勤務に対する割増賃金率を(夜の残業よりも)高める企業もあれば、始業時間・終業時間ともに早め、勤務時間帯そのものを朝型にシフトする企業も見受けられる。また、「サマータイム」を導入し、夏の間だけ勤務時間を朝型とした企業もある。特に今年(2015年)の夏(7月1日~8月末)は政府が「ゆう活」と銘打ち(ゆう活という名称には「夕方を活かす(家族や友人との時間を楽しむ)」という意味が込められているという)朝型勤務を推奨するキャンペーンを実施し、労使団体や企業などに働きかけを行ったことから、試験的に朝型勤務を導入した企業もあったようだ。
では、企業にとって、朝型勤務を導入するメリットとは何だろうか。よく言われるのが、「始終業時刻を繰り上げたことで労働時間が短縮できた」というものだ。確かに労働時間が短くなれば、残業代が削減され、電気使用量も減るなど、企業にとって目に見えるメリットがある。ただし、「労働時間の短縮」をもって朝型勤務の導入が成功したというのは早計だろう。
企業にとっての朝型勤務の導入メリットは、・・・
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