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パフォーマンス・シェア、日本では普及しない恐れ

 2015年12月11日のニュース「ついに日本でも株式報酬の支給が可能に!」でもお伝えしたとおり、金銭報酬債権の現物出資スキームを使って支給する株式報酬の課税関係は、①役員については、「株式の譲渡制限が解除された時」において、「株式の譲渡制限が解除された時点における株式の時価」に対して給与課税、②会社については、「株式の譲渡制限が解除された日の属する事業年度」において、「役員に株式を交付した時点における時価」相当額が損金算入――とされることになった。ただし、これはあくまでリストリクテッド・ストックに限定した話であり、同じ株式報酬でもパフォーマンス・シェアは対象外であることが当フォーラムの取材で分かった。

リストリクテッド・ストック(Restricted Stock) : 一定期間の譲渡制限が付された株式報酬
パフォーマンス・シェア(Performance Share) : 中長期的な“業績目標の達成度合い”に応じて交付される株式報酬

 パフォーマンス・シェアの中にも譲渡制限を付けるものがあるが(経済産業省「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」報告書・別紙3「法的論点に関する解釈指針」の14ページ2(2)エ参照)、あくまでパフォーマンス・シェアである以上、上記税務上の取扱いは適用されない。パフォーマンス・シェアを得た役員への給与課税がどのようなものになるのかは明らかでないが、少なくとも会社はパフォーマンス・シェアを損金算入できないことも確認されている。

 会社がパフォーマンス・シェアを損金算入できない根拠となるのが、平成28年度税制改正大綱に盛り込まれた・・・

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