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女性業務執行役員増加を求める声とともに浮上する人材育成問題

 英国では「2015年中にFTSE100企業の取締役会に占める女性比率を25%にする」という目標を同年7月に前倒しで達成したことを受け(2015年7月29日のニュース「取締役会の女性比率25%達成の英国、次は賃金格差の公表義務付け」参照)、女性取締役比率の引上げを求める対象をFTSE350構成企業へと拡大、さらに、女性取締役の比率も「2020年までに33%以上」に引き上げることが提案されている。ただ、実はこうした数字が“見せかけ”のものに過ぎないとの指摘は少なくない。取締役会の監督機能が重視される英国では、取締役会における社外・社内取締役の“黄金比”が「7:3」とされるなど、取締役会における社外取締役比率が高い。裏を返せば、英国における女性取締役比率向上の背景には、1人の女性が複数の企業の社外取締役を兼任しているという実態があることがうかがえる。実際、「業務執行役員」の比率は、取締役会に占める女性比率25%を早々と達成したFTSE100企業でさえ、10%以下に留まっている。

FTSE100 : ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位100銘柄による時価総額加重平均型の株価指数。

 こうした中、日本の経団連に相当する英国産業連盟(CBI=Confederation of British Business)は、社外取締役のように兼任ができない業務執行役員の女性比率「25%」を目標にすることを提言している。

 このような方向性に対しては“総論賛成”の声が多いが、経営者側からは・・・

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