現在、金融庁において月1回のペースで開催されている「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」が(平成28 年)2月18 日にまとめた意見書「会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取締役会のあり方」では、CEOの選解任について「社内論理のみが優先される不透明なプロセスによることなく、客観性・適時性・透明性を確保するような手続が求められる」(3ページ(1))という記述が入ったが、その背景にあるのが、前任のCEOや相談役等のOBが事実上次期CEOを決める“OBガバナンス”への批判だ(2016年2月19日のニュース「“OBガバナンス”排除の鍵を握る指名委員会」参照)。
そして、OBガバナンスへの批判は、CEOの「指名」の問題だけでなく、OB自身の「報酬」へと展開しつつある。一口に「OB」と言っても、その名称は相談役、顧問、社友と色々ある。こうした立場にあるOBは相当な数の上場企業において存在しており、なかには無報酬の場合もあるが、報酬が支払われているケースも多いとみられる。そして、相談役や顧問への報酬は役員報酬には当たらないがゆえに総会議案になることもなければ、金額が開示されることもない。このため、どれくらいの金額が支払われているのかはもちろん、報酬額の決定の方法(例えば、業績連動の要素はあるのかなど)も投資家からは見えない。
よくあるのが、役員を辞めて・・・
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