これまで日本企業における役員報酬のおよそ80%は固定報酬が占めてきたが、コーポレートガバナンス・コードが、役員報酬について「中長期的な会社の業績や潜在的リスクを反映させ、健全な企業家精神の発揮に資するようなインセンティブ」(原則4-2)、「中長期的な業績と連動する報酬の割合や、現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定すべき」(補充原則4-2①)などとしたことから、今後は業績連動型報酬の割合が高まっていくのは間違いない。業績連動型報酬の増加とともに、日本企業の役員報酬は欧米企業同様に高額化していく可能性があろう。
もっとも、欧米でも、高額な役員報酬が必ずしも株主に受け入れられているわけではない。2015年5月13日のニュース「役員報酬議案、海外では株主の反対が続出」でもお伝えしたとおり、4月後半から始まったイギリスの株主総会では、石油大手のBPや大手金融機関のHSBCなどで、役員報酬決議に多くの反対票が投じられている。また、フランスでも高額な役員報酬への関心が高まっており、・・・
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