セブン&アイ・ホールディングスの主要事業子会社社長の解任を巡る騒動に始まり、同社会長の退任、セコムの会長・社長の解任、ソフトバンクの後継者計画の撤回と後継候補者の退任、さらにスズキでのCEOの交替と、このところ後継者指名に関するトピックスが相次いだ。こうした中、日本でも「後継者計画」に対する企業や投資家の関心は確実に高まっているが、まだまだ手探り状態という企業が多いのではないだろうか。
こうした企業にとって参考になるのが、コーポレートガバナンスのベスト・プラクティス企業として紹介されることも多い英国の製薬最大手・グラクソ・スミスクライン(GSK)社の後継者計画だ。
(2016年)9月20日に最高経営責任者(CEO)の交代を発表したばかりの同社だが、現CEOのアンドリュー・ウィティ氏は、2008年に就任してから10年近くが経過することを踏まえ、既に2015年には「2017年3月に退任する」との意向を示していた。これを受け、同社の取締役会は指名委員会を中心に後継者計画を本格化させ、“社内外”の候補者から後継者を探すため、人材紹介会社2社と契約したことを明らかにしていたところだ。最終的には、大衆薬子会社を率いるエマ・ウォルムズリー氏が後継者に選ばれている。同氏について注目すべきは以下3点であろう。・・・
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