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英国の取締役会評価が自己評価から第三者評価に移行した経緯

ウイリス・タワーズワトソン
組織人事部門シニアコンサルタント
高岡明日香

コーポレートガバナンス・コードが導入された当初は最も「エクスプレイン」の割合が高かった取締役会の実効性評価を求める補充原則4-11③だが、同原則のコンプライ率は、昨年(2015年)12月の36%から今年7月には55%へと上昇している(東証 コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(2016年7月時点)5ページ参照)。ただし、日本企業における取締役会評価の中身は、コーポレートガバナンス・コード導入にあたり日本が手本とした英国のそれとは若干様相が異なる。

多くの日本企業が社内で評価を完結させる「自主評価」を行っているのに対し、英国では上場企業の約45%が第三者機関による評価、すなわち第三者評価を実施している。第三者評価が普及していないのは日本企業だけではない。英国以外の欧州諸国における導入割合は1割程度、米国では未だ数パーセントに過ぎない。米国ウイリス・タワーズワトソンによると、S&P500上位企業においてもまだまだ自主評価が主流だという。多岐にわたるコーポレート・ガバナンスに関連するプラクティスの中で、取締役会評価の分野においては、英国が最も先進的と言えそうだ。

もっとも、その英国でも、かつては自主評価が中心だった。取締役会評価を巡る英国の歴史を紐解くと、・・・

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