AI(Artificial Intelligence=人工知能)やIoT(Internet of Things=物のインターネット)と並び、イノベーションを生み出す新技術の代名詞となっている「フィンテック」だが、事業会社の役員の多くは「ウチには関係ない」と感じているのではないだろうか。
IoT : 住宅、車、家電、家具、建築物、衣服などあらゆる物体をインターネットにつなげることで、生活の利便性を高める技術のこと。
フィンテック : ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)の2つを併せた造語であり、ITを駆使して新たな金融サービスを提供するもの。これまで大手金融機関が独占していた業務をベンチャー企業や個人が行うことができるため、金融業界の秩序を破壊するのみならず、社会構造さえも変革する可能性がある。
近年、Apple、Google、Amazon、Facebook なといった“グローバルIT巨人”に加え、楽天やLine、カカクコムなど国内異業種からの金融事業参入が相次いでいるが、こうした中、今年夏には、広告や人材派遣などの事業を幅広く手がけるリクルートがフィンテックを活用して金融事業に参入すると発表し、注目を集めたところだ。同社のこれまでの広告事業では、自社メディアを通じてコンシューマー側と加盟店側をマッチングすることで広告収入を得てきた。ただ、ホットペッパーを例にとると、「食べログ、ぐるなびなど競合メディアとの競争が激しくなっているうえに、市場全体が飽和してきているため、新規加盟店数(法人顧客数)を増加させるのは容易ではない」(アクセンチュアで戦略コンサルタントを務める唐澤鵬翔 氏)というのが現状となっている。
こうした現状に対し、リクルートが2013年に打ち出したソリューションが・・・
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