上場企業の役員に対し中長期的な企業価値向上への貢献が求められる中、役員の自社株保有率は投資家の大きな関心事の一つとなっている。これを受け、役員の持株比率の引上げを検討する上場企業が急増している。
ただ、日本ではこれまで現物株式を役員に直接「報酬」として付与することが困難とされてきたため(2015年12月2日のニュース「日本で株式報酬を支給できない理由」参照)、株式報酬と言ってもストック・オプションなど“擬似的”なものが中心であり、それゆえ、役員への株式付与に関するプラクティスも成熟していないのが現状だ。欧米企業では一般的に定められている「持株ガイドライン」も大部分の日本企業においては未整備か、不十分なものとなっている。こうした中、企業からは「どれくらいの株数を役員に付与すればいいのか」との疑問も聞かれる。
そこで、欧米企業の状況を見てみよう。
まず米国だが、・・・
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