野村総合研究所
上級研究員 三井千絵
機関投資家に投資先企業に対するモニタリングや建設的な対話(エンゲージメント)を求めるスチュワードシップ・コードの導入(2014年2月~)から間もなく3年が経過するが、今やほとんどの運用機関がその受入れを表明している(2016年12月27日現在で受入れを表明している機関投資家のリストはこちら)。一方で、同コードの導入時から、「企業にESGへの対応を促すのもエンゲージメントを求めるのも、アセットオーナー(年金基金など)の理解がなければ実現は難しい」との指摘も聞かれる。実際、たとえアセットマネージャー(運用会社)がスチュワードシップ・コードを受け入れても、アセットマネージャーの一存で運用方針を変えたり、企業とガバナンスの改善に関する対話を増やしたりといったことは本来はできない。アセットマネージャーに資金の運用を委託しているのはアセットオーナーであり、その意向を踏まえる必要があるからだ。
こうした中、ここ最近、・・・
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