スチュワードシップ・コードの導入(2014年2月~)以降、日本企業と投資家の間で、徐々にではあるが対話が進んできている。この場合の投資家とは「長期投資家」を指す。長期投資家は企業に対してまさに長期的な視点から提案を行い、企業もその投資家との長期的な関係を前提とするからこそ、その提案に耳を傾けるのである。ところが、現実には「長期投資」に至らずに株式が売却されるケースもある。
何年をもって「長期」というかは、投資家によって様々だ。「3年」を長期という投資家もいれば「5年」という者もいるが、いずれにせよ、いくら「長期投資家」といっても、その企業の株価があまりに上昇すれば株式を売却するであろう。企業としては、せっかく投資家と対話し、そのアドバイスを受け入れても、株式を売却されてしまっては意味がない。最悪なのは「自社株買い」に呼応した売却である。すなわち、投資家が企業に自社株買いを勧め、企業がそれを実行し、自社株買いのニュースが出て株価が上昇したところで投資家が売るということである。これは、まさに短期投資に他ならない。
では、本当の長期投資とはどういうものであろうか。それは、・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。