東芝が米原発子会社(ウェスチングハウス社)を通じた原子力事業で巨額損失を計上する見通しとなったことで、海外子会社を含めたコーポレートガバナンスに改めて注目が集まっているが、海外子会社へのガバナンスの欠如には、それが大事として顕在化する前から、小さな兆候が見られることが少なくない。ある日本の上場会社(親会社)のアジア子会社に対し親会社の監査役が実施した監査での出来事を紹介しよう。
監査役監査の対象となったのはアジア地域の製造子会社である。従業員は120名程度で、当該子会社で採用した日本人の経理部長がいるが、この経理部長が“曲者”であった。監査役監査で発見された事項は以下のとおり。・・・
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