コーポレートガバナンス・コードは、上場会社は「独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべき」(原則4-8.)としているが、多くの上場会社がその人選に頭を悩ませてきた(独立役員の定義は2014年12月26日のニュース『「社外取締役」と「独立社外取締役」の違い、明確に説明できますか?』参照)。コードでは、社外取締役に「取締役会における率直・活発で建設的な検討への貢献が期待できる人物」(原則4-9.)という資質が求められているものの、経営内部における“和”を尊重する観点からは、どれだけ有能であっても撹乱要因となるおそれがある人物を選定することは、企業実務の現実としてはありえない。通常は、自社との相性や公的活動や他社での活動を通じた評判を参考にしつつ、自社の取締役会構成のあり方や求められる技倆、ダイバーシティなどを考慮して、候補者を選定することになろう。その結果、複数の上場会社で社外取締役や社外監査役を兼務する“有名人”が出てくる。
コードでは兼職に関しては触れられていないが、当局の非公式見解・・・
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