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外国人社長の招聘事例に見る武田薬品工業のトップ人事のインパクト

 日本を代表する大企業における外国人トップと言えば、日産自動車のカルロス・ゴーン氏がもっとも著名だろう。同氏は親会社の仏ルノーから派遣された経営者であるが、同様のケースとしては、米フォードからヘンリー・ウォレス氏はじめ4人を迎え入れたマツダのケースがある。

 逆に傘下の海外子会社から抜擢した例としては、ソニーの元CEOであるハワード・ストリンガー氏が挙げられる。同氏は米放送局CBSの元社長で、1997年にソニー米国法人の社長としてリクルートされた。当時の出井社長が打ち出したコンテンツ重視の戦略下、エンターテイメント事業を稼ぎ頭に成長させた実績を買われて、2003年にCOO、2005年にはCEOまで上り詰めた。しかし、テレビなどエレクトロニクス事業の赤字体質を改善することができないまま、2013年6月に辞任するに至っている。このほか、日本板硝子が買収した英ピルキントン出身のスチュアート・チェンバース氏、オリンパスが買収した英キーメッド出身のマイケル・ウッドフォード氏も海外子会社からの抜擢人事の例として挙げられるが、いずれも元々はグループ会社という“身内”の人材と言える。

 このようなグループ会社内での異動に近い形でのトップ人事と性格が異なるのが、武田薬品工業のケースだ。武田薬品工業は・・・

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