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管理会計を経営に活かすための3つの鍵

管理会計ラボ 公認会計士 梅澤真由美

企業の会計は、社外の株主や投資家が投資判断に利用する財務会計(制度会計)と、社内の役員や各部門が経営判断や営業活動などに利用する管理会計の2つに大きく分類される。いずれも経理部門が作成するのが一般的となっている。

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管理会計は、英語で「Management Accounting(=経営者のための会計)」と言うとおり、経営者等にとって有用な情報を会計面から定量的にまとめたものと言える。日本企業がコーポレートガバナンス改革を迫られる中、「経営の見える化」への要請を背景に、投資の意思決定などにおいて定量情報としての管理会計が必要とされる機会は近年格段に増えてきた。定量情報による投資の意思決定以外にも、予算や業績予想の策定、部門別の損益計算書、KPIによる業績等の管理なども管理会計の一般的な例として挙げられる。もっとも、こうした管理会計が実際の事業活動の役に立っているという実感を持っている上場企業は少ない。

KPI : 定量的に示される重要業績評価指標(Key Performance Indicators=KPI)のこと。KPIの例としては「新規顧客の獲得数」「従業員1人あたりの経費」「総資産額」などがある。(文責:上場会社役員ガバナンスフォーラム)

その大きな理由の一つとして、経理部門が制度会計のタイトな決算・開示スケジュールや会計基準の改正への対応などに時間をとられ、管理会計用の情報の収集と資料の作成に十分な時間を割けないということがある。経理部門のリソースの問題は一朝一夕に解決できるものではない。そこで、経理部門のリソース問題を抱えていたとしても始めることが比較的容易な“各事業部門の担当役員”の立場から管理会計を活用するための方策を提案したい。具体的には以下の3つである。・・・

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