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東栄リーファーのMBOに旧村上ファンドが注目した理由

周知のとおり、ジャスダックに上場する海運企業の東栄リーファーラインは2月7日、MBO(経営陣による買収)の実施を発表している。同社社長らが出資する会社がTOBを実施し、議決権の3分の1を下限として株式を取得する。買付期間は3月23日までで、買付価格は800円。既に主な大株主は賛成の意思表明をしている。全体の6割近くを占める個人株主次第という面はあるものの、本MBOは問題なく成立し、同社は流通株式数がジャスダックの基準(500単位未満)に到達しなくなり、上場廃止になるものと予想される。

東栄リーファーは昨年(2017年)11月にも買付価格600円でのMBOを発表したが、一部大株主の賛同を得られず、個人株主の支持も集めきれなかったため、失敗に終わっていた。反対した大株主はオフィスサポート(9.93%、第1位)とレノ(8.69%、第2位)で、いずれも旧村上ファンド代表の村上世彰氏が関与する投資ファンドである。東栄リーファーのリリースによると、レノらは「公開買付け公表後に当社の株主となった」模様であることから、MBOをチャンスと捉えて株式を大量購入するという「イベントドリブン型」の投資戦略(個別企業の重要な「イベント」を投資機会ととらえる(ヘッジファンドの)投資手法)をとっていた可能性が高い。

では、東栄リーファーのMBOはなぜ旧村上ファンドに目をつけられたのだろうか。イベントドリブン型の投資戦略のターゲットとなるのは、・・・

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