印刷する 印刷する

オープンイノベーションを阻害する要因

技術やアイデアを有するが資金力や信用力に乏しいベンチャー企業と、資金力や信用力はあっても研究開発に遅れを取ったり組織が硬直化して新規性に富んだアイデアを生み出すことができなくなったりしている大企業が協業すれば、自社に欠落したものを相互補完でき、Win-Winの関係を築くことが可能となる。こうした「大企業がベンチャー企業との連携を行うことでイノベーションを創出する取り組み」をオープンイノベーションという。

オープンイノベーションは、大企業とベンチャー企業の双方に恩恵をもたらし、社会全体を活性化させる可能性を有する有意義な取り組みである。例えば、P&Gではクローズドイノベーションには限界があるとして、オープンイノベーションを促進させ、プロダクト開発の50%を社外の知見を取り込んで行うことを目標としている。以前と比べると、ビジネスコンテストやコーポレートアクセラレーターの仕組みが充実してきたことに伴いオープンイノベーションの手法も多様化しており、大企業側にとってのオプションが増えたのは間違いない。しかし、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)がまとめたオープンイノベーション白書によると、「3年前、10年前と比べて、外部連携が活発化している企業は半数に達しない」「オープンイノベーションの推進奨励に留まり、スローガン先行の企業が多い可能性がある」との調査結果が示されている(オープンイノベーション白書(概要版)15ページ)。

クローズドイノベーション : 社内の研究開発部門だけでイノベーションを起こすこと

オープンイノベーションを阻害する要因はさまざまであるが、ベンチャー企業側からよく指摘されるのが・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合はログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから