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10%超のROEを持続させるためのM&A

産業能率大学 経営学部 教授
光定 洋介

主要な日本企業のROEの上昇傾向が鮮明となっている。2017年度の利益予想によると、日本の主要企業のROEは、データの把握が可能な1982年度以降、初めて10%を超える可能性があるという。米国企業の14%前後、欧州企業の10%前後と比較しても遜色のない水準に近づきつつある。

ROE : Return On Equity=株主資本利益率(当期純利益/株主資本)

ただ、上昇したROEを維持向上させるには努力が必要だ。稼いだ利益を内部留保し、現金で保有し続けた場合、翌期のROEは自動的に低下することになる。なぜなら、内部留保を増やせばROEの分母となる株主資本が大きくなる一方で、内部留保されただけの現金は分子となる(純)利益を生まないからだ。これを避けるためには、内部留保された現金を再投資し、分母が大きくなっても同等以上のROE水準が期待できるだけの新たな利益を生み出すことが求められる。その再投資の候補のひとつとして、業界再編のM&Aを提案したい。

ROEはしばしば・・・

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