日本ではコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂案が現在パブリックコメントに付されているが、英国でもCGコードの改訂が着々と進行している。英国では今年(2018年)2月末にパブリックコメントが締め切られており、今夏にも改訂CGコードの最終版が公表、2019年1月から適用開始となる予定だ。今回の改訂項目を見ると企業にとってインパクトが大きいと思われるものが多く、最終版がどのような内容となるのか、英国企業や機関投資家の間でも関心が高まっている。
今回の英国CGコード改訂のポイントの一つとなるのが、独立取締役の在任期間について年数要件を設けるというものだ。具体的には、独立取締役を「9年以上」務める者は独立取締役とみなさないとする規定が盛り込まれる(従来は在任期間が9年以上となる場合には「説明責任が生じる」とされていたが、改訂案ではそもそも独立社外取締役とみなされないことになる)。そして、この規定は取締役会議長にも適用されることになる。現行の英国CGコードでも、取締役会議長に対しては“経営の執行とその監督機能の分離”という観点から独立性基準が設けられているが、今回の改訂により、独立取締役を9年以上務める者は「独立取締役」とみなされなくなるばかりでなく、取締役会議長としての適格要件も満たさないことになる。この規定の導入により取締役会議長を失う英国企業は相当数に上るとみられることから、企業のみならず機関投資家からも・・・
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