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英国のCG改革が迷走?株主委員会設置議案が政府の反対票により否決

(2018年)6月1日から施行されている改訂コーポレートガバナンス・コードでは補充原則4-10①が厳格化され、「任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した諮問委員会」を設置しない企業は、設置しない理由を「エクスプレイン」しなければならないこととされたところだ(2018年4月5日のニュース『任意の諮問委員会、設置しなければ「エクスプレイン」必要に』参照)。一方、これらの委員会の設置は当然となっている英国では、同国のメガバンクであり、2008年のリーマンショックを受け政府から200億ポンドの公的資金の注入を受け現在も株式の70%を政府によって保有されているロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の今年5月の株主総会で、「株主委員会」の設置が個人株主側から提案されていたのは当フォーラムで既報のとおり(2018年3月27日掲載の新用語・難解用語「株主委員会」参照)。株主委員会は文字通り株主により構成された委員会であるが、RBSの株主総会で提案された株主委員会は何らかの権限を持つのではなく、諮問機関的な役割を付与され、幹部職員の報酬などを含むRBSの経営方針や戦略、ガバナンスについて検討し、意見を述べることが想定されていた。

株主委員会はスウェーデンの企業ではごく一般的に設置されているものの、英国企業ではまだ一社も設置しているところがなかっただけに、RBSで株主委員会が設置されれば、英国企業全体のコーポレートガバナンス強化のきっかっけになることはもちろん、コーポレートガバナンス改革で英国の影響を強く受ける日本でも、株主と企業の関わり方について一石を投じることになるとの見方もあっただけに、RBSの株主総会の行方に注目が集まっていた。

結論から言えば、・・・

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