インセンティブ型報酬の導入を図ろうという企業にとって悩ましい問題の一つが、インセンティブ型報酬の金額の算出根拠となる指標(KPI)として何を選ぶのかという点だ。
2018年7月26日のニュース「役員報酬の根拠となるKPIを巡る投資家と経営陣の“好み”の違い」では、インセンティブ型報酬は経営者が自分でコントロールできない要素が入れば入るほど納得感がなくなることから、経営者にとっては、自身の頑張りと成果との因果関係が明確なうえコントロールしやすい「売上」のような指標を好む傾向があることをお伝えしたが、実際、今だに売上増加率を予算や事業計画上の最重要目標に掲げる経営者は少なくない。
KPI : 定量的に示される重要業績評価指標(Key Performance Indicators=KPI)のこと。KPIの例としては「新規顧客の獲得数」「従業員1人あたりの経費」「総資産額」などがある。
確かに損益計算書のトップにある「売上高」が伸びなければボトムの「当期純利益」も伸びないという主張にも一理あるが、インセンティブ型報酬の金額の算出根拠となる指標として「売上」のみを採用すれば、会社がデメリットを受ける場合があるということは覚えておきたい。・・・
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