最近、企業経営者の口から「人材不足だ」「人が集まらない」という声を聞く機会が増えた。労働人口の減少や景気回復による“売手市場化”もあり、特に出店による拡大戦略を続けている小売・外食業では深刻な問題となっている。
こうした中、ゼンショーホールディングスが展開する牛丼チェーン「すき屋」において、最大123店舗で一時休業や時間帯休業の措置をとる事態が発生した。その要因としては、業界における折からの人材不足に加え、想定以上の手間を要する新商品の導入により従業員の負担が増加し、人材流出が重なったことが挙げられている(ゼンショーホールディングス「すき屋の職場環境改善に向けた施策について」参照)。小売・外食業ではパート・アルバイト等の非正規社員の比率が高く、本件の人材流出も主に非正規社員だと思われる。
人材不足は、店舗休業や想定数以下の人員での無理な営業によるミス・トラブルの誘因となり、また、顧客のニーズに十分に応えられなくなることによって、最終的には業績に大きな影響を与えかねない。そのため、経営陣としては人材不足を明確に“経営上のリスク”と認識し、適切な対策を講じていく必要がある。
主な対策としては、・・・
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