昨年(2018年)の大型IPO(Initial Public offering=新規上場)と言えば真っ先にソフトバンクが思い浮かぶところだが(12月19日上場)、同社はIPO後も引き続き既上場会社であるソフトバンクグループの子会社となっている。典型的な「親子上場」と言えるが、親子上場には、後述するようにガバナンス上の問題が少なくないだけに、ソフトバンクの上場に対しては批判的な声も聞かれたところだ。実は日本では、親子上場となっている上場子会社が全上場会社の6%もあり、諸外国と比べると極端に高い割合となっている(フランス・ドイツは2%台、米国は1%未満、英国は0%。未来投資会議24回会合の資料3の3ページ参照)。こうした中、ガバナンスの弱さが懸念される上場子会社に対しては今後ガバナンス強化策が打ち出される可能性がある。
これまで安倍政権は、コーポレートガバナンス強化のため日本版スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードを導入するなどの取り組みを進めてきたが、残された課題として政府内でも認識されているのが、・・・
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