ジャスダックに上場する日邦産業は4月23日、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の導入について」と題するリリースを公表した。題名から分かるように、本リリースは買収防衛策の導入を知らせるものだが、同社の場合、今回が「再導入」となる。再導入は極めて珍しいケースであり注目される。
本リリースの4~5頁には次のような趣旨の記載が見られる。
・2007年6月の株主総会で導入した買収防衛策を2009年6月に廃止したが、経営陣の賛同を得ず一方的に大規模買付行為を強行する動きが引き続き見られる
・2007年施行の金商法で、大量保有報告制度の厳格化など関連規制は強化されたが、TOB前の情報提供と検討時間の確保、市場内での買集め行為は制限できていない
・2018年策定の新ビジョンの下、新たな成長領域で顧客固有のニーズに応える商材を開発するため、顧客と緊密に連携し、技術等に関わる機密情報の交換を行った結果、かつて以上に顧客の機密情報を保有するに至り、情報流出の恐れが高まっている
大量保有報告制度 : 市場の透明性・公正性を高め、投資者保護を図ることを目的として、株券等の大量保有者に対し「大量保有報告書(or変更報告書)」の提出を義務付ける金融商品取引法上の制度。具体的には、①保有割合が5%超となった場合、②その後、保有割合が1%以上増減するなど重要な変更があった場合、それぞれ提出事由が生じた日から5営業日以内に「大量保有報告書(or変更報告書)」の提出が求められる(②の場合に提出するのは「変更報告書」。
以上を理由に、同社は改めて買収防衛策の必要性を検討、「当社グループの企業価値及び株主協働の利益に対する明白な侵害を防止するため」再導入を決定したとしている。新旧の同社防衛策を比較したのが下表だが、・・・
このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。