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明確な算定式がない役員報酬の開示と今後の方向性

業績連動報酬が急速に普及する中、さすがに「固定報酬」のみしか支給していないという上場企業は見受けられない。しかし、固定報酬以外には年度末に「賞与」に相当する報酬を支払っているのみ、という上場企業はある。この上場企業における「賞与」は、一応は業績等(当期純利益の増減、配当の増減など)を見て、報酬総額を調整しながら最終的には社長が決めているが、金額をはじき出す算定式(公式=フォーミュラ)があるわけではない。言い換えれば、必ずしも報酬額と業績等が明確にリンクしているわけではない。

周知のとおり、2019年3月決算の有価証券報告書から適用される改正開示府令には業績連動報酬に関する開示項目が多数追加され、その中には「業績連動報酬にかかる指標(KPI)、KPIの選定理由、⽀給額の決定⽅法」というものがある(詳細は【2019年3月の課題】補充原則4-10①をエクスプレインした企業における報酬委員会に関する開示 における表の最上段「報酬プログラム(報酬の決定に関する⽅針)」参照)。算定式がない上場企業にとって、この開示要請に対応するのは容易ではない。

こうした企業の開示方法として考えられるのは、・・・

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