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機関投資家と温度差も 上場企業が選んだESG活動の主要テーマ

ESG投資の活発化によりESGへの取組みは今や時価総額が小さい企業にとっても不可避となりつつある。もっとも、何をESG活動の主要テーマとするかは各社でバラツキが見られる。年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)が(2019年)5月16日に公表した調査結果(第4回 機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果)によると、各社がESG活動において重点を置いているとしたテーマは下表のとおりとなっている(GPIFが設定したテーマの中から、各社が最大5つを選択。同集計結果の18ページ参照。表中の順位の「前回」は昨年同時期に公表された第3回調査結果の順位)。

ESG投資:ESGとは、「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を組み合わせたもので、近年、特にグローバル機関投資家の間で、企業の投資価値を測る評価項目としての地位を確立しつつある。ESG投資とは文字通り「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」に優れた企業に投資することをいう。

順位 主要テーマ 比率
今回 前回 今回 前回
1 1 コーポレートガバナンス 71.2% 67.4%
2 3 気候変動 45.5% 36.3%
3 2 ダイバーシティ 41.6% 43.0%
4 4 人権と地域社会 34.4% 33.8%
5 5 健康と安全 33.3% 32.5%

「コーポレートガバナンス」が2位以下を大きく引き離して1位となっているのをはじめ、上位にはESGの“王道”と言えるテーマが並んでいる。投資家から「ESGへの取り組みが遅れている」といった評価を受けないようにするためにも、上位のテーマでは他社に後れを取らないようにしたいところだ。

一方、重点を置く企業が「少ない」テーマは下表のとおり(「その他」の回答を除く)。

順位 主要テーマ 比率
今回 前回 今回 前回
20 21 不祥事 3.1% 2.3%
21 20 腐敗防止 2.5% 3.7%
22 22 少数株主保護(政策保有等) 1.0% 0.8%
23 23 紛争鉱物 0.7% 0.6%
23 24 税の透明性 0.7% 0.5%

注目すべきは、・・・

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