我が国では、今年2月のスチュワードシップ・コードに続き、2015年の株主総会シーズンまでにコーポレートガバナンス・コードを策定することが、政府の成長戦略(「日本再興戦略」改訂2014 、30ページ参照)に盛り込まれた。スチュワードシップ・コード同様、コーポレートガバナンス・コードのモデルも“英国版”だが、本家英国版のコーポレートガバナンス・コードが揺れている。
英国のコーポレートガバナンス・コードは、時代の変化に応じ、2年に1度見直しが行われている。通常は4月に改定案が発表され、同年の10月から新コードが導入される流れとなっており、直近の改定案も今年(2014年)4月に発表された。ところが、その内容が年金基金や機関投資家から強い批判を浴びており、今月(7月)末には英議会の経済委員会が公聴会を開催、英国コーポレートガバナンス・コードを策定しているFRC(財務報告評議会)を喚問する事態となっている。
批判の的となっているのが、「継続企業(ゴーイング・コンサーン=going concern)* 」に関するコードだ。
* 会社が将来にわたって事業を継続していくという前提のこと。
英国では、2008年のリーマンショックの際に 監査法人から・・・
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