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新興国への投資額を逆転の可能性 先進国への投資が長期的に回復

 アジア諸国をはじめとする新興国に投資している(あるいは、投資を検討している)日本企業は多いが、グローバルで見ると、このトレンドに変化が生じている。

 それを裏付けるのが、2014年6月に国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表した「2014年版・世界投資報告: World Investment Report 2014」だ。これは、企業等の民間部門による海外直接投資(Foreign direct investment)の世界的な動向を分析したもので、毎年発表されている。今回の報告は、2013年の動向および分析、これを踏まえた2014~2016年の世界的な海外投資トレンド予測などを示しているが、それによると、世界の企業による「先進国」への投資の回復が明確となっており、2016年までには、先進国への投資額が新興国への投資額を上回るという、リーマンショック(2008年)前の状況に戻る可能性も指摘されている。

 詳しく見てみよう。

 世界の企業等による海外直接投資額は、2007年に2兆ドルに達したものの、2009年には1兆2000億ドルまで下落、その後は停滞が続いてきた。しかし、今回の2014年版報告によると、2013年に入り海外直接投資が地域を問わずに活発化し、投資額は1兆4500億ドルと、前年比9%増となった。この回復基調は2014年以降も続くとみられ、2016年の海外直接投資額は1兆8500億ドルに達すると見込まれている。

 注目されるのは、このうち「先進国」への海外直接投資額だ。特に・・・

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