現在検討が進んでいる東証の市場区分の見直し議論においては、東証一部上場企業が新市場区分の最上位市場である「プライム市場」に移行することができるかどうかが最大の焦点となっていたところだ。プライム市場に上場するには、流通時価総額(100億円目途)と流通株式比率(現行35%)の2つの基準をクリアする必要があるが、既報のとおり、これらの基準には「経過措置」が設けられ、流通時価総額基準を満たせない企業については「より高いガバナンスについてのコミットメント」、流通株式比率基準を満たせない企業については「流通株式比率向上に向けた取組等の策定・開示」を条件に、 “プライム市場上場企業”となれることとなった(2019年12月25日のニュース「CGコードの一部が強制適用の可能性、ジャスダック企業にもフル適用へ」参照)。
流通時価総額 : 流通株式数(上場株式数から「役員所有株式数」「自己株式数」「上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式数」を控除した数を流通株式数)に時価を乗じた額
流通株式比率 : 流通株式数を上場株式数で除した値
もっとも、これらはあくまで「経過措置」であり、「当分の間」プライム市場への上場を認めるために手当てされたものに過ぎない。そこで気になるのが、・・・
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