2020年2月4日のニュース『経産省、CGSガイドライン等と“並列”の「事業再編に関する実務指針」取りまとめへ』でお伝えしたとおり、同省は今年6月末を目途に「ノンコア事業」の切り離し促進を目的とした「事業再編に関する実務指針」を取りまとめる方針だが、ノンコア事業を抱える多角化経営に対しては(特に欧米の)投資家から批判的な意見が多い一方で、日本企業の経営者の間では意見が分かれているのが現状となっている。
欧米では「コングロマリット化することにより、経営環境の変化に対してより脆弱になる」との考え方が一般的となっており、経営者も株主からの圧力を受ける形で、「事業ポートフォリオ」を管理し、企業を巨大化させることよりも、得意分野に経営資源を集中させて効率的に経営することに注力している。日本企業の経営者からも、「事業の数が多すぎると、事業管理の能力を超えてしまう。事業の数と事業特性の分散のバランスから、最適ポイントがある。」「コングロマリット経営は、10年、20年前の経営スタイル。良いところもあると思うが、コングロマリットで平準化する経営では、資本市場からの期待に応えられない。儲かるところに徹底的に集中して、リターンを出して、株価をあげていく、というプレッシャーがある。」といった欧米に近い意見が聞かれる一方、・・・
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