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欧米金融機関が外国人経営者の招聘に積極的な理由

 今年6月の株主総会で、武田薬品工業の社長に外国人、しかも純粋な外部人材であるクリストフ・ウェバー氏が就任し、大きな話題を呼んだ。これまでは、傘下の海外子会社から抜擢するケースや(2014年4月2日のニュース「外国人社長の招聘事例に見る武田薬品工業のトップ人事のインパクト」参照)、自動車メーカーなどで見られるように、外国資本の支援を受けるのにあわせて経営トップが派遣されるケースが目に付く。武田薬品工業のケースがこれだけ話題になったこと自体、このトップ人事が日本企業としてはいかにレアであるかを物語っている。

 一方、外国人を経営トップとして招聘することにもっとも積極的なのが、欧米の金融機関だ。欧米の金融機関では、むしろ外国人経営陣を起用することが明確な“トレンド”になっていると言っていいだろう。例えば、ドイツ銀行の共同CEOの1人はインド出身、イギリスでは中央銀行であるイングランド銀行(BOE=Bank of England)のカーニー総裁がカナダ出身であり、ロイズ銀行のCEOがポルトガル出身、RBSのグループのCEOがニュージーランド出身、プルデンシャルのCEOがコートジボワール出身、イタリア最大手保険会社であるジェネラリのCIO(Chief Investment Officer=最高投資責任者)はシンガポール出身といった具合だ。このほか、JPモルガン、UBS、クレディスイスなども外国人経営陣を起用している(ただし、フランスとスペインについては、日本同様、社内の自国出身者を登用する傾向がある)。

 その背景にあるのが、・・・

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