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アクティビストと大手資産運用会社のスタンスの違い

 日本でも「アクティビスト *」、つまり投資先企業の経営陣に積極的に提言を行い、企業価値の向上や株主還元の増加を目指す、いわゆる“物言う株主”の存在感が高まっている。アクティビストの動きが活発化すればするほど、日本企業は株主還元の拡大を迫られることになるだろう。アメリカの例を見ると、昨年(2013年)7-9月期のS&P500社による自社株買いと配当は2007年以来の高水準となったが、その背景には、アクティビストの攻勢があると言われている。

* アメリカの投資情報会社 スタンダード&プアーズが選定した、ニューヨーク証券取引所、NASDAQ、アメリカン証券取引所に上場する代表的な500社

 企業にとっては脅威となり得るアクティビストだが、逆に言うと、投資家にとっては、アクティビストが投資する銘柄は魅力があり、実際、アクティビストの手法を活用するファンド(アクティビスト・ファンド)には大量の資金が流入している。アクティビスト・ファンドの運用資産は、2009年の360億ドルから、2013年第3四半期末時点では890億ドルまで増加しており、しかも高い運用実績を残している。シティグループの報告書によると、17の有力なアクティビスト・ヘッジファンドで構成されるインデックスは、2009年以降19%ものリターンを上げているという。これは、全ヘッジファンドの平均リターン7.5%を大きく上回るものとなっている。

 ただ、市場関係者の間では、こうしたアクティビストの活動に警鐘を鳴らす向きも少なくない。・・・

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