ここ最近の急速な物価上昇が実質賃金を押し下げかねない情勢となっている。一定の賃上げを行った企業の税負担を軽減する「賃上げ税制」を令和4年度税制改正で導入するなど、賃上げは岸田政権の最重要政策の一つだが(賃上げ税制については2022年3月28日のニュース「“賃上げ宣言”には何を書く?」および同ニュースで引用されているニュース参照)、物価上昇が賃上げの効果を減殺することになれば、さらなる賃上げへのプレッシャーが高まる可能性がある。原材料費の高騰に悩むメーカー等にとって、賃上げは難しい経営判断となろう。
実質賃金 : 実際に受け取った給与である名目賃金から、消費者物価指数に基づく物価変動の影響を差し引いて算出した賃金のこと。労働者の実質的な購買力を示すため、その推移は個人消費の動向にも影響する。
こうした中、物価の上昇や税制に加え、・・・
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