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女性活躍推進、「社外取締役」が抜け道に?

 昨日(2014年10月20日)、女性の活躍推進を進める安倍内閣で2人の女性大臣が同時に辞任した。後任大臣のうちの1人を女性としたのは、政府方針の後退と見られることを避けたいとの思惑もあったと思われる。

 女性政治家と言えば、欧州のノルウェーでは昨年9月の総選挙で史上2人目の女性首相が誕生(17年ぶり)しているように、同国は女性の活躍推進先進国である。既に2004年には、国営企業における取締役会における性別の構成比を、男女とも40%以上に保つことを義務付ける制度が会社法改正により導入され、2006年からはその適用対象を民間企業(上場企業のみ)にも拡大している。

 ただ、全米経済研究所(NBER)の調査によると、上記会社法改正により、確かにノルウェーの上場企業の取締役会における女性比率は40.7%まで上昇したものの、女性CEOの比率はわずか6.4%しかなく、その一方で、女性社外取締役の割合が増加しているという。つまり、40.7%という女性比率は、女性社外取締役によって支えられているというわけだ。このため、女性活躍推進の究極的な目標の1つである男女間の賃金格差の是正は実現していない。

 また、イギリスでは、・・・

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