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CFに大きな影響 繰越欠損金の控除限度割合引下げ議論の行方

 税金は企業のキャッシュフローに直接的な影響を与える。海外のグローバル企業の中には、「いかに税負担を下げるか(実質的な税負担率を下げるか)」を経営上の目標の1つとし、その実績を株主にアピールしているところもあるほどだ。

 そして、企業の税負担にしばしば大きな影響を与えるのが「繰越欠損金」である。繰越欠損金とは、法人税の計算上の利益(益金)を損失(損金)が上回った場合に生じるものであり、翌事業年度以降に繰り越して(9年間繰越が可能)、所得(益金-損金)から控除することができる。ただし、資本金が1億円超の法人では、繰越欠損金を控除できるのは「所得の80%」が上限となる。例えば所得、繰越欠損金とも100あった場合、所得から控除できるのは80が上限になるというわけだ(その結果、課税対象となる所得は20となる。控除できなかった繰越欠損金20は翌事業年度に繰り越し)。一方、資本金が1億円以下の法人であれば、所得の100%と相殺することができる(課税対象となる所得は0)。

 企業の税負担が減るということは、国側から見れば税収が減るということに他ならない。実際、繰越欠損金を活用して法人税を納めていない企業は多く、財政赤字に苦しむ国を悩ませているが、来年実施される平成27年度税制改正では、
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