2022年3月期決算企業の有価証券報告書が概ね出揃い、今年も金融商品取引法で義務付けられている1億円以上の役員報酬の個別開示の対象となった者の人数や金額が経済メディアなどに取り上げられている。東京商工リサーチの調査によると、1億円以上の役員報酬を個別開示したのは287社(663人)で、前年の253社(544人)から10%以上増加し、個別開示が始まった2010年3月期以降で過去最多となった。また、報酬額トップ5を見ると、1位がZホールディングスの慎ジュンホ取締役で約43億円、5位の東京エレクトロンの河合利樹社長でも約17億円と、欧米企業にも引けを取らない金額となっている。こうした結果を見て、「(報酬を)貰い過ぎではないか」「同業のX社と比べて高過ぎではないか」、逆にX社の同業のY社からは「なぜX社はあんなに貰っているのか」といった声が聞かれるが、実はこれは“感覚論”にすぎないことが多い。・・・
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