「不確実性の時代」と言われるここ数年、役員への業績連動報酬の支給額についてもボラティリティ(変動率)が高まっている。年度末を迎え、期初には予測出来なかった外的要因(為替の変動、エネルギー・原材料価格の高騰等)により業績が振るわず、役員に対する業績連動報酬の支給率が予想外に少なくなってしまった、という企業も多いことだろう。
こういったケースにおいては、各社の報酬委員会等において、「事後的」に、業績連動報酬の支給率の調整ができないか、という議論になることがある。“後出しジャンケン”という批判を受けるリスクは否定できないものの、業績不振が外的要因によるものであって、経営陣の責任に帰すものではないのであれば、何らかの形で報酬を事後的に調整することができないか、という議論があってもおかしくはないはずだ。
そして、結論から言えば、報酬の事後調整を行うこと自体は可能である。しかしながら、実際に調整を行う場合には、いくつかの論点を踏まえたうえで、慎重な検討を行う必要がある。具体的には以下のとおりだ。・・・
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