印刷する 印刷する

終身雇用制度の終焉に向け政府が大ナタ 長い勤続期間に有利な退職所得優遇税制見直しへ

政府の「新しい資本主義実現会議」は5月16日に「三位一体の労働市場改革の指針(案)」をとりまとめたが、同指針案から見えて来るのが、従来の終身雇用を転換し、人材の流動化を促進しようという政府の強い意思だ。同指針案では「労働移動」という文言が随所に見られるほか、自己都合による離職の際における失業給付制度の見直し(失業給付の受給時期の早期化等。同指針案8ページの一番下参照)、また、「自己都合退職に対する障壁の除去」として、「民間企業の例でも、一部の企業の自己都合退職の場合の退職金の減額、勤続年数・年齢が一定基準以下であれば退職金を不支給、といった労働慣行の見直しが必要になりうる。」「その背景の一つに、厚生労働省が定める「モデル就業規則」において、退職金の勤続年数による制限、自己都合退職者に対する会社都合退職者と異なる取り扱いが例示されていることが影響しているとの指摘があることから、このモデル就業規則を改正する。」ことが盛り込まれている(9ページ 「(3)自己都合退職に対する障壁の除去」参照)。

三位一体 : ①リ・スキリングによる能力向上支援、②個々の企業の実態に応じた職務給の導入、③成長分野への労働移動の円滑化、の3つを指す。

最も注目されるのが、いまだ多くの日本企業で実質的に続いている終身雇用制度を支える仕組みである退職所得に対する優遇税制の見直しだ。・・・

このコンテンツは会員限定です。会員登録(有料)すると続きをお読みいただけます。

続きはこちら
まだログインがお済みでない場合は
ログイン画面に遷移します。
会員登録はこちらから