先週の3月4日、日経平均株価がとうとう終値で4万円台に乗り、史上最高値を更新した。外国人投資家が、積極的に日本株を評価している。その理由の一つのとして、日本企業のコーポレートガバナンスの改善が挙げられている。確かに、独立社外取締役の増加などの進歩は見られる。日本取締役協会によると、取締役会に占める独立社外取締役の割合が過半数を占める企業(東証1部/東証プライム 以下同)の割合は2014年(東証1部)の1.4%から2023年(東証プライム)の16.0%に、「3分の1から半数」を占める企業の割合は2014年の8.2%から2023年の80.0%にそれぞれ増加している(日本取締役協会「上場企業のコーポレート・ガバナンス調査」6ページ参照)。また、アジア・コーポレート・ガバナンス協会(ACGA)のアジア・パシフィックのコーポレートガバナンス・ランキングでは、日本は2020年の5位から2023年にはオーストラリアに次いで2位と、ランキングを大きく上げている(2023年12月18日のニュース「ACGAの最新コーポレートガバナンス・ランキングで日本が2位に急上昇した背景」参照)。
ACGA : 英語の正式名称は「Asian Corporate Governance Association」で、香港を拠点とし、アジアに投資するグローバルな機関投資家の団体である。ACGAの会員となっている機関投資家の資産総額は40兆米ドルに達しており、日本の規制当局に対しても強い発言力を持っている。ACGAによるアジア諸国の「コーポレートガバナンス・ランキング」を含むコーポレートガバナンスに関する調査結果「CG Watch」には、資本市場関係者や規制当局も高い関心を持っている。
ただ、これまで多くの批判に晒されてきた日本企業のコーポレートガバナンスが、本当に株価を押し上げる要因となるほど改善したのであろうか。・・・
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