金融庁に設置された金融審議会「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」(以下、WG)は2023年6月から6回にわたり、公開買付制度(TOB=Take-Over Bid)、大量保有報告制度、実質株主の透明性のあり方などについて検討を行ってきたが、WGが2024年2月9日に金融審議会に提出した報告書を踏まえ、政府は今月(3月)15日、「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。公開買付制度や大量保有報告制度などの見直しによる資本市場の活性化を謳う今回の改正法案だが、・・・
公開買付制度(TOB=Take-Over Bid) : 会社の支配権等に影響を及ぼすような証券取引の透明性・公正性を確保するために設けられている制度。具体的には、特定の上場会社の株式を、買取り株数・価格・買付期間を公告したうえで、株式市場外で不特定多数の株主から買い集めることを求める。
大量保有報告制度 : 市場の透明性・公正性を高め、投資者保護を図ることを目的として、株券等の大量保有者に対し「大量保有報告書(or変更報告書)」の提出を義務付ける金融商品取引法上の制度。具体的には、①保有割合が5%超となった場合、②その後、保有割合が1%以上増減するなど重要な変更があった場合、それぞれ提出事由が生じた日から5営業日以内に「大量保有報告書(or変更報告書)」の提出が求められる(②の場合に提出するのは「変更報告書」)。
実質株主 : 株主名簿の背後に存在する運用・議決権行使権限を持つ株主。
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