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日本の上場会社における“ファイナンスの専門家”に投資家は懐疑的な視線

2024年6月の株主総会シーズンでは、機関投資家から株主提案を受けた上場会社数が46社と過去最高になったことは、2024年7月3日のニュース「株高でアクティビストのターゲットに変化」でお伝えしたとおり。議案数も124件と近年の高水準を維持しているが、特に剰余金処分案が16→28件と大幅に増加したことは2024年6月総会の特徴と言える。東証による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請が影響したことは明かだろう(2024年7月1日のニュース「株主提案の根拠としてDOEが使用されるケースが急増」参照)。

もう一つ、5→7件と少数かつ小幅ながら増加したのが取締役選解任議案である。同議案が可決されれば経営に多大な影響が及ぶことは避けられず、会社側(取締役会)としては会社提案の取締役候補者の方がより優れていることや株主利益に適った人物であることをアピールする必要がある。その際に有効なツールがスキル・マトリックスであり、株主提案に対して取締役会の意見を表明する適時開示ではスキル・マトリックスを引用している事例が少なからず見受けられる。

そこで当フォーラムでは、2024年6月の株主総会シーズンにおける適時開示で、スキル・マトリックスを引用した取締役会の反対意見を記載した上場会社の有無を確認したところ、・・・

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