金融庁と東京証券取引所は12月12日に開催した有識者会議で、コーポレートガバナンス・コードの原案を取りまとめた。字句等の修正は座長(池尾和人 慶應義塾大学経済学部教授)に一任され、近日中にも最終原案が公表される。その後、1か月程度意見募集を行い、来年2月頃には正式決定する運びだ。
コーポレートガバナンス・コード原案の中身は2014年11月25日のニュース『独立社外取締役「2名以上」も「相当でない理由」の開示は不要に』でお伝えした通りだが、今回は11月25日に示された案に「序文」が追加されている(2014年12月10日のニュース『12日最終案のコーポレートガバナンス・コードは「序文」に注目』参照)。コードはいわゆる「コンプライ・オア・エクスプレイン」(ルールに従え(comply:コンプライ)、従わないのであればその理由を説明せよ(explain:エクスプレイン))の手法を採用しているが、「すべてコンプライする必要はない」旨が明記された点が序文のポイント。各企業の個別事情に照らし「何を実施して、何を実施しないのか」、その判断に至った理由を説明することこそが投資家とのコミュニケーションの促進につながるというのがその趣旨である。したがって、各原則の文言や記載を表面的にとらえ、その一部を実施していないことのみをもって「実効的なコーポレートガバナンスが実現できていない」と機械的に評価することは適切ではないとされた。
コーポレートガバナンス・コードの適用対象は「上場企業」とされたものの、マザーズやジャスダックなどの新興市場に上場する企業については、会社の規模などを考慮したうえ、適用に一定の配慮を行うかどうかを検討する。具体的には、・・・
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