パッシブ運用を行う運用機関が集団的エンゲージメント(*)を行うためのプラットフォーム「一般社団法人機関投資家協働対話フォーラム」(以下、IICEF)は2025年1月21日、「政策保有株式縮減の実効性向上のための施策の提言」を公表した。
* 機関投資家協働対話フォーラムでは、「集団的エンゲージメント」ではなく「協働エンゲージメント(企業との協働対話)」という言葉を用いている。
パッシブ運用 : 東証のTOPIXのような株価指数(インデックス)の値動きに連動する運用成果を目指し、株価指数を構成する銘柄をポートフォリオに組み入れるなどして、運用会社は定性的な判断を入れずに機械的に投資判断を行う運用手法のこと。パッシブとは「消極的な」という意味である。
IICEFは2019年3月から政策保有株式について企業と協働エンゲージメントを開始し、2020年9月には投資家の共通見解をまとめている(2020年9月15日のニュース「機関投資家協働対話フォーラム、政策保有株の保有・被保有企業にレター送付」参照)。今回の提言は、企業との協働エンゲージメントの経験を踏まえて、政策保有株式の縮減を更に促進させることを狙いとしている。
今回の提言内容を当フォーラムが整理したのが下表だ。下表のとおり、提言内容は8つの大項目から構成されている。IICEFは、政策保有株式というのテーマはまだ「終わった話」ではなく、むしろ、これから「岩盤」が立ちはだかる課題と考えており、提言内容も投資家が依然として抱いている懸念や危機感を反映したものとなっている。・・・
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