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フジテレビが抱える2つの大きなガバナンス問題

1月27日、10時間半にも及ぶ前代未聞の記者会見を行ったフジテレビジョン(以下、フジテレビ)。元タレントの中居正広氏による女性トラブルに関する週刊誌報道をきっかけに大炎上し、ほぼ全てのスポンサー企業がテレビコマーシャル(CM)を公共広告に差し替えるなど大きな波紋が広がっている。震災などで全局が足並みを揃え同様の行動を取ったことはあるが、1つのテレビ局としては初の事態となる。

既に周知されていることもあるが、経緯を簡単に振り返っておこう。昨年(2024年)12月に『女性セブン』および『週刊文春』が中居氏による女性トラブルを取り上げた記事では、フジテレビの幹部が女性を中居氏に“上納”したなどとも報じられたため、フジテレビの港浩一社長が記者会見を強いられることとなった。

しかし、記者会見の参加者を新聞記者会のメンバーに限定するとともに、テレビ局でありながらテレビカメラでの撮影も拒否、しかも女性のプライバシーを盾に「詳細は言えない」との回答に終始したため、「隠蔽しようとしているのではないか」「幕引きを急いでいるのではないか」といった批判が巻き起こり、27日に再度“やり直し会見”を開催せざるを得ない状況に追い込まれた。

このやり直し会見には筆者も出席したが、フジテレビの嘉納修治会長は、「人権に対する意識の不足から、十分なケアができなかった当事者の女性に対し、心からお詫びを申し上げたい」と謝罪。第三者委員会の独立性、中立性などについて日本弁護士連合会のガイドラインに準拠した第三者委員会を設置し、事実関係や事後対応等の調査・検証を依頼したことを明らかにした。

そのうえで視聴者やスポンサー企業に多大な心配と迷惑をかけた責任を取って自身と港浩一社長が同日付けで辞任、親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(HD)の清水賢治専務がフジテレビの社長を兼務すると発表した。

第三者委員会は既に調査を開始しており、フジテレビは「3月末までに」(清水氏)とされる同委員会の結論を待って、経営陣の交代も含む対応を図るとしている。しかし、筆者が過去に別の企業の第三者委員会のメンバーを務めたことがある弁護士に取材したところ、「今回の件では『企業風土に問題がある』といった指摘もあるので、トラブルが起きた当該日とその関係者だけを調べればよいわけではない。過去にさかのぼって経緯を調べたり、全社員を調査対象にして調べたりしなければならないため、わずか2か月間では到底調べ終えることはできない。3月末に中間発表などを行い、結論はその数か月先になる可能性もある」と予想していた。

調査のポイントとなるのはやはりガバナンス体制だ。具体的には「組織」と「人」である。・・・

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