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トヨタの監査等委員会設置会社選択によりモニタリング・ボードへの移行が加速も

周知のとおり、トヨタ自動車は2025年2月25日の取締役会で、監査等委員会設置会社に移行することを決議した旨をリリースしている。2025年6月開催予定の定時株主総会において定款の一部変更議案を上程し、その承認を経て正式決定される。トヨタは監査等委員会設置会社に移行する目的として以下3点を挙げており、モニタリング・ボード化を進める狙いが読み取れる。


モニタリング・ボード : 経営陣の監督を主たる役割・任務とする取締役会のこと。これに対し、業務執行におけるコンセンサスを形成する場としての取締役会のことを「マネジメント・ボード」という。

◆ 取締役会(における議論)の更なる活性化
◆ 執行への権限委譲による更なる意思決定の迅速化
◆ 取締役会によるモニタリング機能の強化

移行前後の役員構成は下表のとおりとなっている。取締役の人数は10人から9人へと若干の減少にとどまるが、監査役を含めた役員ベースでは16人からの大幅減(7人減)となる。「取締役会を構成する社内・社外のメンバーが役職にとらわれずに参加者全員で議論を行」うことで、取締役会の更なる活性化を図る、すなわち「取締役」「監査役」の別にとらわれず「全員で議論」するために、監査等委員を含む取締役の人数を一定数に抑えることとしたものと考えられる。

移行前:監査役設置会社
取締役 代表取締役 3人
他の社内取締役 3人
社外取締役 4人
監査役 常勤監査役 3人
社外監査役 3人
移行後:監査等委員会設置会社
取締役 代表取締役 3人
他の社内取締役 0人
社外取締役 2人
常勤監査等委員 1人
社外監査等委員 3人

トヨタ自動車のように監査等委員会設置会社に移行する企業は増加し続けている。2025年2月27日時点のプライム市場では、・・・

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